女性向け二次創作同人の「暗黙の了解」に疲れた
女性向け二次創作同人の「暗黙の了解」に疲れた。
具体的には
①pixivの作品タグに原作作品名、キャラ名はNG
②アクリルキーホルダーなどのグッズ頒布はNG
③二次創作同人誌のDL販売はNG
この三点だ。
いずれも私が去年まで活発に活動していたジャンルではとやかく言われることはなかった。
それが今年からハマったジャンルではNGだということで、目につけられれば「たぬき」のような匿名掲示板でボコボコに叩かれる。
前提として、私はいわゆる「二次元コンテンツ」の制作に携わる仕事をしている女だ。いわゆる「中の人」だ。「中の人」の視点も交えて、上記3点について思うことを述べようと思う。
①pixivの作品タグに原作作品名、キャラ名はNG
NGな理由としてよく挙げられるのは、「公式の目に触れる可能性があるから」。
しかし現実は、公式も腐向けタグの存在を把握しているし、エゴサもする。
声優も同じくそうだ。声優も根はオタクだ。
だって、自分が携わっているものにインスピレーションを受け、創作活動をしてくれていることは嬉しいから。
一部二次創作に厳しいジャンルもあるが、特に記載のない作品は、基本的に二次創作歓迎だと思ってほしい。
二次創作が多いジャンル=盛り上がっているジャンルの証拠だから。
ファンの二次創作がきっかけで、原作に興味を持ってもらえることに原作側も正直とても期待している。特に、twitterやpixivのフォロワー数が多い人にはその人自身へのファンもついているので、そういう人に二次創作してもらえると、原作に興味を持ってくれる人も多い。
だから、二次創作はオープンにしてほしい。
私が納得できないのは、男性向け作品ではどんなにどエロい作品でも原作作品名、キャラ名を入れていても叩かれることはないのに、女性向けではそれを良しとされないこと。
正直めんどくさい。
それに、作品ハマりたての状態で
「このキャラが気になる!どんな可能性があるんだろう」
という気持ちでpixivで原作作品名・キャラ名検索をしていて、たまたま巡り合えたカップリングに目覚めることもあるではないか。カプ名を把握していない人にも、自カプの良さを伝えるには、やはり原作作品名・キャラ名をいれたい。
「原作がこういう関係だと勘違いするかもしれないじゃないか!」
という反論がくるかもしれないが、勘違いするような人はそもそもpixivで二次創作を漁らないだろう。
②アクリルキーホルダーなどのグッズ頒布はNG
フィギュアやラバストのような立体物を作るのはNGなことは把握している。
しかし近年、アクリルキーホルダー・アクリルスタンドも立体扱いとし、頒布NGの流れがあるようだ。
理由としては、「公式殺しだからNG」をよく見かける。
アクキーやアクスタも同人誌と同じく、表面に印刷していることに変わりない。
一度作ったことがある人ならわかると思うが、ぶっちゃけ、アクキー、アクスタよりも同人誌のほうが、原価と頒布価格相場を見ると儲けが出やすい。それか、だいたい同じくらいだ。
二次創作の頒布自体がグレーなものではあるが、アクキーやアクスタを頒布することで袋叩きにされるのもおかしな話だと思う。
これも、男性向け二次創作同人ではあまりない「暗黙の了解」だと思う。
③二次創作同人誌のDL販売はNG
ちょっと前にバズっていた話題。紙媒体の同人誌は印刷費をカンパしてもらってる名目で許されているという話。
私はDL販売をしたい。
DL販売に関わる仕事をしていたこともあり、データ商品の場所をとらない・こっそり楽しめる、という利便性を理解しているから。
再販するほどではないが、完売してしまった過去の本を読んでみたいという声もあるから。
データ販売を良しとしない理由として「違法アップロードに出回りやすい」というのがあるが、紙媒体でもスキャンされてしまえばネットにあげられる。
また、「紙媒体よりも儲けが出てしまう」点については、モノではないぶんDL価格を即売会での頒布価格より下げれば、本よりも儲けが出ない。データ販売には原価はないと言うが、サーバー費などかかっているではないか。
とらのあなやメロンブックスでも二次創作のDL販売を行っているし、DMMに至っては版元も兼ねているにも関わらず二次創作のDL販売を行っている。それでも二次創作のデータ販売NGなのであれば、各書店は「データ販売を希望しますか?」のチェック欄にとっくのとうに注意書きをいれている。
紙もデータも同人誌は同人誌。グレーなことは変わらず同じ。
それを紙でないからNG、と紙媒体の同人誌を出している人が偉そうな顔をして叩いているのもおかしな話だ。
上記はあくまで、公式から明確なルール提示がされていない作品での二次創作同人(女性向けジャンル)での話。
自分の思っていることを書き連ねただけではあるが、もし自分以外の「中の人」がいれば、見解を教えてもらえたら幸いだ。